このサイトを開設したそもそもの目的は、私の所属である教育研究所(現・教育開発研究センター)の2010年度個別プロジェクト研究の一環として、栃木県安蘇郡閑馬村(現・佐野市)の閑馬小学校に関する明治前期の史料を翻刻するにあたって、その経過をインターネット上で公開しながら、古文書の読み方、勉強の仕方に関する情報を提供できないかなと思ったからでした。これに劇作家北條秀司関係の研究を公開することと、私自身の研究関心を合わせて提供できないかなと思ってはじめたのでした。でも、最近はブログを更新するだけで、それもかなり期間が空きますし、ましてや古文書の読み方、勉強の仕方に関する項目はほとんど工事中のまま…(^_^;)これではまったく意味がありませんよね。
まぁそんなこんなで、サイトも開設して5年が過ぎましたし、内容を一新しようかなと考えている次第です。もちろん、一つの核は古文書です。そんなこんなの話をしていましたら、昔の教え子から、「最近は古文書を勉強するサイトが増えていますよね。」と連絡が来ました。なるほど、そうか。このサイトも5年が経つのだから、ずいぶんと変わったことでしょう。せっかくですから、ちょっと調べてみよう。私も勉強になりますし、何よりリニューアルの参考になる。と、思ったところで、せっかくですから、ここで紹介してみましょう。ただし、論評は控えます。今後のために。
ところで、GoogleやYahoo!を使って検索すると、だいたい同じようなサイトがヒットするようです。ここで「アラフォーOL理沙の古文書修行記」というサイトがありまして、「理沙さん」なる初心者の方がいろいろとサイトを探しては、初心者なりの独自の視点で感想を述べています。案外あたっているようです。私もこのサイトを利用しながら、古文書を学ぶためのサイトについて紹介しようと思います。それぞれのトップ画面を掲載しておきます。それぞれの講座のタイトルか画面をクリックすると、そのサイトに行けますので、お試しください。
◎通信教育系の古文書講座
通信教育系の古文書講座というのは昔からあって、現在確認したのは、以下の5件です。
ここら辺が代表的なものでしょうか。もちろん、費用がかかります。添削指導のあるところ、その数、スクーリングの有無等々、それぞれに特徴があります。定番と言えばNHK学園!NHK学園については、2007年度と2015年度の2回、サマースクーリングの講師をしました。
◎公的機関の古文書講座
公的機関は、(公)文書館、資料館、博物館、図書館等の史資料保存機関をさします。ここで講座というのは、開講に応じて機関に行って勉強するのではなく、あくまでもインターネットで学べるようなコースを持っている機関をいいます。以下の4館です。
いわゆるアーカイブズ(Archives)と呼ばれる施設ですね。公文書館(こうぶんしょかん・こうもんじょかん)、文書館(ぶんしょかん・もんじょかん)と日本語では言います。「公」をつけるかつけないか。「もんじょ」と読むか「ぶんしょ」と読むかは、例えば公文書(こうぶんしょ)を軸にしているか、古文書を軸にしているかでさまざまですが、実態から言えば、両方を保存しているが不通です。だから、古文書講座をインターネットで開講するにしても、古文書を自前のものでやることができる。今は権利関係が厳しいですから、さまざまな古文書に触れられるという意味でも大きなメリットになっていますね。
次は、図書館系のインターネット古文書講座です。
図書館も結構、古文書などの史料を持っていることが多いです。これは、図書館や博物館・美術館と違って、アーカイブが日本に導入されるのが遅かったためでもあるのでしょう。県立だけでなく、例えば小田原市立図書館等、市町村立の図書館にも古文書が保存されている場合が多く、中には郷土資料室などといった別室が用意されていることもあります。
◎個人の古文書講座
最後に個人で開設されていると思われるインターネット古文書講座をいくつかあげてみましょう。ただ、本当に個人が独自にやっているか、最終的な確認は取れていません。
最後に高尾善希さんの古文書入門サイトを紹介します。高尾さんは、「はてなあんてな 歴史学関係ブログ集成」という、歴史学の研究者や大学・機関がアップしたブログを一覧で紹介されていまして、私もたいへんお世話になっています。
こうしてみると、千差万別ですね。さて、どれが一番わかりやすいか?どれが一番マスターしやすいか?ちょっと試してみてください。
私自身は、このサイトでも宣言していますように、自分の経験を活かして、古文書を読むだけではなく、これを活字に起こす翻刻まで、できれば電子書籍ないしはインターネット公開までを一つのルーティンとしてマスターできるようにならないかなと考えています。古文書を翻刻するにもルールがありますからね。ただ、デジタル化となるとまだまだハードルが高い、というか表現媒体として定式化することに難しさがあります。これは技術的な問題でもあるのでしょう。だいたい、そういった要望自体が少ないと思いますからね。
何はともあれ、重要なのは「継続」できること。ずっと続けていけるようなシステムを、しくみを作ることかなぁ~と思っています。まだまだこれからですね。
図書館、博物館、インターネット、古文書サークルを通じて、古文書をたのしんでいます。
特に、近年のデジタルアーカイブの進歩を活用させていただいています。
ありがとうございます。古文書を読むのは本当に楽しいです。どこまで行っても尽きることがなくて。このサイトが少しでもお役に立てたら幸いです。