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Pubridge on Demand 歴史の本を出版するということ

本日の東京行きは、「吉岡由緒書」の印刷・出版について株式会社出版デジタル機構の小笠原さんと打ち合わせをするためでした。同社は、Pubridge On Demand(略称POD)という、早い話がデジタル出版と、小ロットの印刷-Print on Demandを統合したサービスを提供している会社です(ということでいいのかな? ^^;)ただ、小ロットで印刷することをPrint on Demand(オンデマンド印刷)というのは知っていましたが、Pubridgeという語は聞いたことがありませんでした。辞書で引いても出てこない。ん?と思って、ネットで検索してみたら、publishbridge を合わせた造語で、出版デジタル機構のサービスの名称とのことでした。publishは書籍や雑誌等を刊行すること、出版することで、bridgeは橋ですから、著者が本を刊行することを橋渡しするサービスということですね。う~む。一応、許可を得ましたので、提案書の表紙をアップさせていただきます。

出版不況と言われてどれだけの月日が経ったでしょうか?歴史関係の出版社も例外ではありません。残念ながら、近藤出版社、名著出版社、校倉書房などもなくなってしまいました。その反面、文部科学省の大学院重点化政策、とくに文系における課程博士制度の導入は、博士を大量に生み出すことになると同時に、博士論文の出版が必須となります。ところが、歴史学界は、研究が細分化されているために、売れても400部がいいところです。そのために出版助成などもありますが、なかなかハードルが高いことも確かです。もちろん、編集者の存在やレイアウト、組み版等々プロの仕事が重要なことはいうまでもありません。ただ、今はワープロソフトを使ってもそこそこに組むことは可能です。実際、ワープロソフトの一太郎であれば、結構、複雑なレイアウトも組むことができます。というか、ワードプロセッサーやワープロソフトの黎明期から仕事をしている私たちは、結構、そうした技術を蓄積しているのです。あまり、伝授はしていませんが…。実社会ではあまり役に立ちませんので(^^;)もちろん、InDesignなどのDTP(desktop publishing)ソフトであればそれこそ言うことはないでしょうが、気楽に論文を書くことや他で筆写していた史料を引用する場合など、ちょっと不便です。要は、PDFファイルをきちんと作成できればいいのですからね。

店頭には並ばないですが、Amazonや三省堂書店、楽天に文字通り橋渡しをしてくれるそうです。考えてみたら、書籍だけなく、学会の研究誌なども小ロットですから、これもこうした方法に向いているのではないでしょうか。考え方次第です。ということで、小笠原さんの協力を仰ぎながら、ちょっと出版社を作ってみようかと思っています。何より必要なのは書き手です。まずは自分がやってみなければ始まりません(^^)

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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