史料管理学演習の授業も2日目に突入して、今日からいよいよ「実習」の開始です。例年通り2日目は、古文書の目録取り(作成)の練習です。中には古文書の授業を受けたことがないという学生もいますが、なぁ~に構いません。せっかくの機会ですから、江戸時代の古文書を読んでどうやって目録として作成するかを練習します。
まずは、竪帳や横帳などの帳ものの目録取りです。これらはだいたい表紙に書いてある表題と年月日、作成者を読み取れれば目録が取れるわけですが、文章と違って文字そのものが読めなくてはなりませんので、結構、難しいといえば難しいです。とはいえ、同じような表紙が続いてきますので、何となく自力で書けるようにはなっていきます。
ついでにこちらは、史料の目録を取るための史料カードとの記入方法や要件をまとめたものです。
こちらは典籍(書籍)があることも想定してカードにしています。縦横や厚さ(高さ)などの法量は、この場ではなかなか測れませんが、とりあえず、入れております。基本的には①史料No.、②年月日、③表題(仮題・カガミ)、④内容、⑤差出人・作成者、⑥請取人、⑦形態、⑧数量、⑨備考の9項目を記入していきます。このうち、⑦形態と⑨備考は該当するものに○をつけるだけでよいようにしています。追加したいことがあれば⑧備考の横の空欄に自由に書いてもらいます。だいたいこの程度のことが書ければ目録になります。
帳ものが終わればいよいよ一紙ものや状ものと呼ばれる古文書です。いずれにしても、結局のところ古文書ではくずし字が読めなければなんともなりませんが、ここではではとくに④内容を正確かつ簡潔に書ける能力が求められます、後は、どれだけ規定通りに書き取っていけるかです。そうそうここでは請取人も入ってきます。余談ですが、こうした項目をみる度に、日本の史料整理の基本は「古文書学」を踏襲しているんだなと思わざるを得ません。
当然のことながら、一紙ものに入ると、とたんにスピードも遅くなってきます。初日でも3時を回ったところで、ちらほら疲れも見えてきます。そう、かなり頭と神経を使いますので、結構、この作業は疲れるのですよ。ほら、「この字はなぁに?」と悩んでいる声が聞こえてきませんか(^^)
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