史料管理学演習も無事に最終日を迎えました。考えてみたら、天皇誕生日もありましたし、今日は土曜日です。そんな中、学生たちはしっかりとやって来て頑張って作業をやってくれました。私の方が感心してしまいます。毎年のことですが、こんな時期にこの授業を受ける学生は、古文書や史資料の整理というものに関心があるか、もしくはどうしても単位が欲しい学生か…です(^^;)でも、単位が欲しい学生たちもしっかりとやってくれるんですよ。歴史学は座学が中心の授業になってしまいますから、却って新鮮なのかも知れません。
さて、最終日の授業はやっぱり緒形拳さんの資料の整理です。古文書は前近代の史料整理ですが、緒形拳さんや北條秀司さんの資料整理は近現代の資料整理ということになります。どちらも個人史資料もしくは民間史資料ということでは、行政文書などの公的な史資料とは区別されるという点では共通しています。
史料といったり、資料といったり、史資料といったりしていますが、これは明確に区別することが難しいからです。史料管理学演習の授業ではこの辺の区別の難しさについても説明します。前近代に文字で書かれた紙については「史料」でよいでしょうが、文字で書かれたものでも金石文や碑銘などはどう扱うか、ましてや近現代ではもっと多様になりますからね。
これまでなら古文書整理を2日、近現代資料整理を2日やるのですが、かなり物理的な整理は進みましたので、台本に整理として、資料番号のシールを貼るという作業をやってもらいました。
こちらは整理作業の全景です。今回は3つの班に分け、それぞれA班-映画台本、B班-舞台台本、C班-テレビドラマ台本に分けました。テレビドラマ台本がもっとも多いですから、これには半分の6人をあてています。
原秩序維持というアーカイブズ学の法則に従うなら、資料が保管されてきた状況に合わせて資料番号をつけていく必要があります。もちろん、はじめはそれでやっていました。台本やパンフレットなどもどこに保管されていたのかを記録して、それに応じて資料番号をつけていましたが、古文書の蔵出し作業とは違って、後から後からいろんな場所から出てきますから、もう追いつかなくなってしまいした。ましてこうした資料は、研究や展示などの利用の便を考えますと、きちんとクリアファイルやバインダーなどに整理して置いた方が後々利用がしやすいのです。さらにそれも台本やパンフレットなどの種類ごとに年代順に並んでいた方が使いやすい。そこで資料番号は、映画や舞台、テレビドラマにしてもそれが公開された年月日を基準にしてつけた方が資料も検索しやすい。さらに後からまた新たに台本等が出てきても間に入れることができます。何よりこれによって1点-1資料番号を堅持できます。そんなこんなでこの方法を考えました。詳しいことはまたいずれ公開したいと思っています。
今回は作業風景の動画を公開しましょう。台本は、ポリプロピレンに入った特製のクリアファイルに入れ、これをバインダーに綴じていきます。クリアファイルはTCC東京修復保存センターで販売されているものです。バインダーは市販のものを使っています。リヒトラブの4穴リングバインダーです。シールはクリアファイルに貼ります。また、台本には裏表紙の裏に鉛筆で資料番号を記入しておきます。シールを貼ったりすると、とくに科学糊のシールは年月を経るうちに剥がれてしまいますし、その後が黒いシミになってとれなくなってしまいます。今のところ、照合のために鉛筆で記入しておくのが1番かなと思っています。
学生たちに「疲れた?」と尋ねると、異口同音に「はい、疲れました」と間違いなく答えてくれます(^^;)毎年のことです。地味で暗くて…というイメージがあると、最初のレポートで答えてくれた学生もいましたが、その通りなんですよねぇ。そんなに身体は使いませんが、とにかく馴れないことに頭を使うことは疲れるものです。
毎年、この授業ではお昼休みと3時の休憩用にお茶とお茶菓子を用意しておくのですが、今年は早々に「甘いものが欲しい」という要望が出ていました。疲れるとやっぱり甘いものが欲しくなると。それにしてもさすがに男子だけ11人、食べること食べること…!毎日買い足したというのも初めてでしたね。
でもみんなよく頑張った!お疲れさまでした。今日はどうぞゆっくりと寝てください。私もすっかり疲れました…。明日の準備はありませんので、今日は早めに、そしてゆっくり寝ます(^_^)v
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