昨日から2021年度のウィンターセッション科目「史料管理学演習」が始まりました。今年は2年生から4年生まで総勢11名。男子学生のみの限定授業です。ウソです(^^;)なぜか男子学生だけが履修しました。今年度のゼミ生7名も男子学生だけでしたから、ある意味すごいめぐり合せの年です。今までこの人数で女子学生が一人もいないということはなかったですね。
1日3コマずつ5日間。ただし、5日目だけは2コマです。初日は、毎年、史料整理についての講義を行ないます。歴史学研究の方法から始めて、ランケの実証主義歴史学について説明し、なぜ史資料が必要なのかという話をしていきます。その上で、史資料を誰かがきちんと整理して公にすることの重要性について話を進めていくのですが、史料管理学演習では、実証主義歴史学による史料学と史料批判の方法論が明治に輸入されて、古文書学が成立し、戦後には封建遺制の克服のために地方史研究が隆盛するとともに、自治体史編纂がさかんになったことから近世史料の整理法が進んだということ、さらに1980年代後半から欧米流のアーカイブの理論や方法論が導入され、広まって現在にいたるというように説明しています。アーカイブの理論や方法論は、主に行政的な史資料を取り扱うのには確かに秀でていますが、実際には村方文書や藩文書、商家文書といった従来の近世史における史料整理方法とはどうもうまく接合しない面があるのではないか、また近世文書の整理と近現代文書の整理ではこれも整理方法に違いが出てくることにどう対処するのか、といったことが課題なのだろうと思っています。
そんなこんなの話をして、2日目からは実際に史料整理の実習に入ります。整理するのは、ヤフオクなどで購入した現物の古文書です。
そんなに効果があるのかどうわかりませんが、なるべく空間を空けるようにしています。4人掛けテーブルは仕方がないので、アクリルパネルで仕切っております。
本日整理してもらっているのは、越後国頸城郡町田村(現・新潟県上越市)の布施家に残された史料です。ヤフオクで購入したものですから、詳しいことはわかりませんが、古文書を読んでいくと布施姓の庄屋名が多数出てきますし、明治の史料でも布施姓ですから、たぶん「布施家文書」でよいのだと思います。
アンケートをとったら、なんと11人中7人は古文書の授業をとっていないとのこと…。いや~参りました(^^;)そこでこの町田村布施家文書は、ほとんどは横帳で、年貢米金や小物成などの割賦帳、溜池普請等の人足帳なな年貢や村の公役に関する帳簿ですから、同じような表現がくり返されます。そこで、この横帳の表題(タイトル)と作成者、形態、数量を目録にする作業を行ないました。
初めての体験だったと思いますが、皆さん真剣です。ただ、これ地味な仕事だけにだんだんと疲れがたまってきます。たった5時間程度の作業とはいうものの、最後は疲れ切ったようでした。
ほぼ目録取りは終わりましたので、明日はこれをExcelに入力する作業をやっていこうかなと思っています。さぁ~後3日!頑張っていきましょう!!
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