なぜ「野の花」なのか?
「野の花」と聞いて友人からは「何だか介護施設のようだね」と言われました(^^;)実際、ネットで検索すると福祉関係やらデイサービスやら、果ては熊本県の有名な黒川温泉にも「野の花」というハイクラスのお宿がありました。「野の花合同会社」というのもありましたね。「ののはな」と読むか、「ののか」と読むかは別にして、割とある名前であることは確かなようです。まぁそこで「オフィス」をつけたのですがね。
そもそも「野の花」という文字は、緒形拳さんが好んで書かれた文字で、大ぶりの書が2点、枯木に書いたものが1点あります。昨年の横浜市歴史博物館特別展でも展示してありました。
全体を明るめに調節してもらいましたが、これが展示されていた作品です。展覧会が終わった後に、緒形家からいただきました。出版関係の事業を興そうと思ったときも「野の花」でいこうと思っていました。ネーミングを考える時に緒形さんが書かれた文字を見ていて決めたのでした。
薔薇や向日葵やチューリップのような華も名もある?!花ではなくて、まさに野に咲く花のように地道にやっていこうと思っています。
また「野の花」の「野」は「在野」の「野」でもあります。私は大学で専門的に歴史学を勉強しましたから、その意味ではプロですが、ただ主流となる研究からは距離を置いた存在でした。研究会も「関東近世史研究会」など、関東での近世史研究ではそれなりでも「歴史学研究」とか「日本史研究会」とか「地方史研究協議会」などの全国的な研究会とは無縁の存在でした。研究のフィールドも関東が中心というだけで、自治体史の経歴に合わせて気儘にその市町に応じた研究を続けてきました。その意味でも「在」の存在であり、「野」の研究者だと自負しています。
だからこれから野に咲く花のような、もっといえば雑草のような気持ちを忘れずに精進したいと思っています。まだまだ何をやっていくか、どうしたら会社が廻るのか、まったく五里霧中の状態ですが、そんな心構えで精進していきたいと思います。後10年生きているのならば、その10年を目指して頑張っていこうかなと。でも、片意地はらずに、ひっそりとしっかりと活きていきます(^^)
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