横浜市歴史博物館特別展 橫浜の大名

お知らせ
横浜市歴史博物館特別展 橫浜の大名

本日10月2日(土)から11月23日(日・祝日)にかけて、横浜市歴史博物館で「橫浜の大名-米倉家の幕末・明治-」という特別展が始まりました。横浜市金沢区にはかつて金沢藩(明治になって六浦藩<むつらはん>と改名)という1万5000石の藩がありました。そもそも神奈川県下でいえば、小田原藩11万3000石と同藩の支藩である荻野山中藩(厚木市)1万3000石の3藩が藩庁を置いているだけですけれどね。ここでは加賀国の金沢藩(石川県)との混乱を避けるために武蔵金沢藩と言っておきましょう。

武蔵金沢藩の藩主は米倉家で、享保7年(1722)んに下野国皆川(栃木県)より新たに移ってきています。これを入封(にゅうほう)もしくは移封(いほう)と言います。この武蔵金沢藩には同藩の目付が記録した慶応4年(1868)から明治4年(1871)までの分厚い「日記」が残っています。同館では、平成28年(2016)から解読を進めてきたそうで、その過程で明らかになった武蔵金沢藩の幕末から廃藩置県まで新たな歴史についての特別展です。全体の構成は以下の通りです。

Ⅰ横浜の大名 米倉氏

Ⅱ幕末期の武州金沢藩

Ⅲ「日記」が伝える4年間

Ⅳその後の米倉家と藩士たち

幕末維新期の歴史もさることながら、米倉家は戦国時代は甲斐国武田家に仕えていましたから、とくにそうした同家の特徴にも光をあてるとのことです。今年は武田信玄生誕500年の記念の年ですから、武田家に興味のある方、また米倉家のような武田家の旧臣であった大名の江戸時代に興味がある方もぜひ観に来ていただきたいと、井上攻(おさむ)副館長も仰っていました。

この展覧会についてはすでに昨年の段階から知っていましたから、今年の3月には展覧会の担当である小林紀子学芸員と一緒に秦野市にある曹洞宗蔵林寺と中井町にある曹洞宗米倉寺という2つのお寺を訪ねて、お墓を見せていただきました。それはこのブログでも紹介していますので、そちらの方もご覧ください。何でもその時に撮った私の写真も使われているとか…。どの写真かちょっと楽しみです。

また、企画展にあわせてミュージアムショップには、企画展の図録をはじめ幕末維新に関する書籍が多数販売されております。

そこにはなんと!私の『幕末風聞集 増補改訂版』も並んでおります!!特別に販売していただけるそうです。もちろん、Amazonや楽天ブックスでも購入できますが、会場にお越しの際にはぜひ手に取ってご覧ください。史料集ですから内容的には専門ですが、巻末に内容の目録もつけておりますので、そちらをご覧いただければと思います。もっとも史料自体は伊勢松坂(三重県松阪市)周辺のものですが、ペリー来航から禁門の変や天誅組の乱、水戸天狗党の乱、第二次長州征伐の記事なども詳しいですから、まんざら関東に関係がないわけでもありません。

と、最後は自分の宣伝になってしまいました(^_^;)考えてみたら、ちょうど1年前は緒形拳さんの展覧会をやっていたのかと思うと、本当に月日の流れの早さを感じます。コロナ禍もずいぶん収まったし、たくさんの方に観に来ていただくことを願っています。もちろん、私も今月中には行きますよー!!

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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