Professor's Tweet.NET

『近世史料の読み方』 L348Mile

ここのところ、日ごとに寒かったり、暖かったりで、どうにも落ち着きません。昼間は暖かくても、朝夕は比較的寒いようです。風もまだまだ冷たさを感じます。それでも今日は、とくに午前中はよいお天気でしたね。2時限目は日本近世史基礎演習で、14号館での授業です。いつも通り陸上競技場とサッカー場の間を通る近道ルートを通るのですが、天気のよい日は緑が眩しくて、ひときわ気持ちがよいです。

メタセコイアの並木も若緑の新芽に覆われています。陸上競技場や準硬式野球場の周りの緑の色はひときわ濃くなったように思えますね。よい季節であることは変わりはありません。

さて、2時限目の日本近世史基礎演習に加えて、本日は4時限目が卒業論文基礎2の授業です。今、どちらにも力を入れているのは、とにかく近世史料を、それも活字の史料を読めるようにしましょうということです。先週も書きましたように、近世史料は漢文と言っても簡略化された江戸時代特有の漢文で、こうして日本語化された漢文を和化漢文、変体漢文と言います。しかも片仮名と平仮名がまじった仮名交じり文であることも大きな特徴です。ちなみに片仮名、平仮名が「仮名」というのは、漢字を「真名」と呼ぶことに対応するものです。

そういったわけですので、いわゆる純正漢文に比べれば近世の和化漢文は非常に読みやすく、返り点もレ点と一二点が主で、再読文字もありません。とはいえ、それを徹底して読めるようになるというのはやはりそれだけの熟練が必要になります。活字の史料が読めれば、古文書を読む力ももちろんついてきます。

そんなこんなで日本史基礎演習では、毎年テキストを作成して配布し、これを元に説明する時間を設けることにしています。とはいっても、以前、このサイトでも紹介した自家製?!の『古文書ハンドブック』を活字史料を読むために書き直したものです。こちらがその表紙です。

ということで、本日は、このテキストのPDF版を公開しておきますので、興味のある方は下のURLからダウンロードしてみてください。

ついでながら、そうして刊行しております野の花出版社の史料集もよろしくお願いいたします!!

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
モバイルバージョンを終了