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【臣君の起業日誌⑩】出版も最終段階!

3月31日に「合同会社オフィス野の花」を設立して、社員代表になりました!と紹介してから、4月16日からその時々で書き続けてきた起業日誌も第10回目を迎えました。今さらながらですが、「臣君」というは、中学校時代のニックネームです。EXILEの登坂広臣さんも感じが違いますが「ひろおみ」で、「omikun」と呼ばれているとか…。まぁ~こちらの方がずーっと早いですけれどね(^_^)v

さて、これまでの道のりを振り返ってみると、まずは登録のために会社の「定款」をはじめとする諸書類を作成したり、必要書類を揃えて申請するところから始まります。ただ、実際の申請は全部税理士さんに任せましたから、それほどたいへんではなかったのですけれど。この手続きにあわせて、会社印3点セット-実印、銀行印、角印を「はんこ de ハンコ」というネット通販に依頼しました。「起業・開運3点セット」だそうです。そこで、法人口座を開設するように準備を進めたのですが、ここでわかったのは、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行などの大手をはじめ、店舗をもっている銀行では法人口座の開設がものすごく厳しくなっていることでした。それで振込料やATMの問題を含めて検討し、結局、ネット銀行を開設することとし、何とか開設にこぎ着けました。

次は会社のロゴです。これは「ココナラ」というサービスを提供する会社・個人とサービスを必要とする人とを結びつけるマッチングサービスを利用しました。なるべくシンプルで飽きの来ないデザインを捜して、nica designに依頼することにしました。ココナラでも評価が高かったです。で、一つはかみさんのたっての願いで、うさぎのななをモチーフにした「合同オフィス野の花」のデザインと、その中の出版部門になる「野の花出版社」のロゴの2種類です。実はもう一点あるのですが、それはまだ秘密ということで…。あ、nica designさんにはついで名刺の作成もお願いしました。

 

「オフィス野の花」の基幹事業は、日本史、とくに近世史に関する研究書、一般書、史料集のオンデマンド出版で、これを担うのが「野の花出版」です。オンデマンド出版については、株式会社メディアドゥと契約をしました。Amazon、楽天、三省堂のネットショップでのオンデマンド出版を仲介してくれる会社です。第一弾の出版は、2010年に刊行した『幕末風聞集』を増補改訂版として再刊することでした。この本文自体は、ジャストシステムのワープロソフト一太郎シリーズで作成していますから、結局、自分でやるしかありません。また、せっかくの増補改訂版ですから、内容の編年細目録をつけることにしました。これは管理工学研究所桐Ver.10sを使って作成しています。MicrosoftのOfficeやAdobeのアプリケーションはいっさい使わないという思いきりの良さ!実際、Wordは縦書きには使えないし、ましてや複雑な組版を要する史料集はさらなりです。InDesignも縦書きの対応はあまりよくないと聞きました。まぁ~もう覚える気もないですが、将来はわかりません。ただし、表紙だけは自分ではうまく作れませんので、昨年、横浜市歴史博物館で開催した展覧会の記念誌として刊行した『戦後大衆文化史の軌跡-俳優緒形拳とその時代』のデザイナーさんにお願いしました。こちらはAdobeのillustratorですね。

そうこうしているうちに法人口座が開いたところで、次にビジネス用のクレジットカードも申し込みました。法人口座が開ければこちらは案外楽でした。法人口座ではデビットカードも使っています。経費はなるべくわかりやすくしたいですからね。

こうして準備が整ってくると、ホームページも必要になりますね。オフィス野の花のホームページは、このサイトと同じ教え子に依頼して、5月20日にオープンしました。そちらもぜひご覧ください。ホームケージには、「野の花出版社」のオンデマンド出版事業の他に、展覧会や講演などのイベント事業、史資料の整理やインストラクター事業についても説明しています。これらの事業は、「定款」に盛り込んでおかないと、後から追加するには書き換えが必要になりますので、面倒です。「定款」にはこの他にネットショップ事業も入れております。古本とかホーロー看板とかを取り扱う予定ですが、たぶんネットショップではなくて、Yahoo!オークションやメリカリでの販売を考えています。その際にも「古物商許可証」があった方がよいと、税理士さんから勧められましたので、これもお願いして取得しました。

とにかく事業の第一弾は『幕末風聞集 増補改訂版』の出版ですから、もう一つ、ISBNの図書コードと書籍JANコードを日本図書コート管理センターに申請して、入手しなければなりません。ISBNは1点、10点、100点と直段が決まっています。まぁ~最低でも10点以上は刊行する予定です。

この申請をしている間、大きな問題が起きてしまいました。当初、出版社名は「野の花出版」とする予定でしたが、すでに登録されているというのです。どうも愛知の印刷会社さんが使っていたようで、ネット検索で引っかからなかったんですよ。仕方がないので「野の花出版社」に改めて、最終的にnica designさんにデザインの修正を追加で依頼することになりました(^^;)

実際には、まず日本図書コード管理センターのホームページでISBNの新規登録申請書を出すと、確認の電話がかかってきます。確認の電話後に決済のメールが届きますので、ISBNの発行本数に応じた料金と書籍JANコードの登録料を支払います。そうしたら数日後に決算確認センターから出版者記号のお知らせメールが届きます。ここまでで1週間ほどかかりますか?それからさらに1週間後、登録票書類一式が届きます。なお、書籍JANコード登録は3年間ですから、2024年5月末にはまた登録をしなければなりません。こうしてようやくISBN図書コードが送られてきます。そこから先は出版社が管理しなければなりません。それぞれのISBNにどの書籍を割り当てるか、同時に分類用のコードもこちらで割り当てなければなりません。ちなみに『幕末風聞集』のISBNはISBN987-4-910615-00-4で、分類コードはC3021です。分類コードは日本図書コード管理センターにある『ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード利用の手引き』に最初の3は専門書、0は単行本、2は歴史地理、1は日本歴史を示しています。これで自動的に図書の十進分類法が適用されるのです。このために現在は、ISBNコードのバーコードは2段になっています。

最後にこのISBNをバーコードとして印刷して貰わなければなりません。これは先の『利用の手引き』にあった印刷会社の案内から、それぞれの会社のホームページを見て、1番手軽そうで早そうな株式会社エム・アート企画に依頼することにしました。

で、昨日の午後、野の花出版社を新規登録して、発注したところ、今日の朝には送られてきました。これを今、デザイナーさんに表紙に貼り付けてもらうようにお願いしているところです。

いや~本当にいろいろとたいへんでした。でも、考えてみたら法人申請も古物商許可証申請も税理士さんに頼んだだけで、後はすべてネットでやり取りしています。会社印から法人口座、法人クレジットカード、ISBN図書コード等々一切合切です。考えてみれば凄い世の中になったもので、そうでなければ、本職をもちながらの起業はもっとたいへんでしたでしょうし、時間もかかったでしょう。後、もう少しです!!

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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