哀愁のコンビニエンスストア

今日のつぶやき
哀愁のコンビニエンスストア

ここのところ、コンビニエンスストアの出店と閉店が相次いでいますよね。合併も進んでいます。サークルKはファミリーマートに吸収されて、今はほとんど見かけなくなりました。コンビニも飽和状態にありますからね。東名高速の側道は三本松にあったサークルKもあっという間に閉店になって、いまは建設会社だかの事務所になっています。そこから帰りの道すがら、うちの近所の恩名(おんな)にあったサークルKも今月で閉じるそうです。サークルKはそこそこ品揃えも悪くなかったのですが、正直、ファミリーマートの傘下に入って、ファミリーマートのプライベートブランドが並ぶと、品揃えが悪くなったと思っていました。前の方がいろいろあってよかったのに。別に悪口ではありませんが…。

とりわけ、このコンビニを取り上げるのは、ちょっと思い入れが深いからです。今から15年前、2003年の年末のことです。上の娘が病気になって、伊勢原の東海大学付属病院に入院していたことがありました。まだ娘が高校生だったときの話です。2回の手術をして年をまたいでひと月ほど入院していました。私もその頃、左足のくるぶしあたりを骨折していて、松葉杖をついて湘南キャンパスまで通っていました。その頃、今も一緒に学園史資料センターで働いてくれている目七君には毎日迎えに来てもらって、帰りは病院まで送ってもらっていました。それからかみさんが仕事終えて帰ってくるまで病室にいました。面会時間いっぱいまでいて、帰りは8時を過ぎてしまいますので、ほぼ毎回、このサークルKでお弁当を買ってうちで食べていました。今は、途中にセブンイレブンもファミリーマートもありますが、その頃は後、厚木高校の隣にローソンがあっただけでした。お弁当はサークルKの方がよかったので、毎日のようにここで買っていたのでした。だから、ここのサークルKは娘の入院とお弁当の記憶で、前を通るときはいつでも思い出していました。もちろん、たまには立ち寄って買い物をしていましたが、ここのところ急に品数が少なくなっていましたので、もしかしたらと思っていました。今日立ち寄った時は本当に商品がなくなっていて、初めて表の貼り紙に気づきました。

「平成15年から15年にわたってご愛顧ありがとうございました。」

平成15年って西暦で何年だろうと思いながら帰って確認したら、2003年だったのですね。つまり、ここのサークルKはあの年に開店したんだ…と改めて思っています。

時は確実に流れているんですね。そして変化しているのですね。「時代は必ず変化すると考えるのが歴史学の立場だ」と常々話はしていましたが、そんな小さな変化に今日はちょっと感傷的になったのでした。

 

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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