さる中間試験の風景
さる中間試験の風景…とは思えないでしょ、この写真。これでも正真正銘の試験風景なのです。水曜日の2時限目、日本近世史基礎演習の授業です。
これではカンニングし放題ではないかとお考えの皆さま、はい、その通りですね。これは「世事見聞録」という18世紀前半の和文形式で書かれた史料について、半分は現代語訳に、残りの半分は5~6行で大意をまとめまさいという試験です。通常、この時代の史料は、変体漢文もしくは和化漢文と言われる近世の簡略化された漢文の史料を読むのですが、今回は基礎演習の授業用テキストにも使った18世紀前半成立の「世事見聞録」から出題しています。「世事見聞録」は、和文で書かれています。つまり、返り点をつけて読まなければならない箇所はほとんどありません。言わば最初から書き下し文になっているようなものです。
史料は結局は、読めればいい。何も一人で悪戦苦闘して分からなくなるくらいなら、嫌になってしまうくらいならば、相談できる人と一緒にやるということを体験してみようということです。私自身も初めての試みです。2人1組で、この2人組は、ラストスパートの「新選組関係史料を読む」の共同報告者でもあります。答案は別々に書いてもらうけれども、調べるのは一緒で構わないし、相談しても構わない。調べるための道具として、PCを2人組に1台ずつ使わせています。各PCには複数辞書を串刺し検索するアプリが入れてあります。協業で読んでみるということをやってみるテストです。期末はもちろん、個別ですけれどね。まだ採点をしていませんので、うまくいったかこれからですが、いろいろと工夫が必要な時代です。
それにしても、この「世事見聞録」を基本史料として卒業論文を書いても面白いと思うんですけどね。
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