梅雨の木漏れ日
星ひとつ 見つけたる 嬉しさは 月にもまされる 五月雨の空
本阿弥光悦が茶杓(ちゃしゃく)に散らし書きで書いた和歌です。本阿弥光悦(1558~1637)は、安土・桃山期から江戸前期の芸術家で、書、陶芸、漆芸などに秀でていました。好きな芸術家の一人で、この茶杓を根津美術館ではじめて見た時は感激しましたね。国宝の舟橋蒔絵硯箱(ふなばしまきえすずりばこ)は国立東京博物館で見ました。もう一つの国宝、銘を「不二山」という白楽茶碗にはまだで会えてないんですよね。
五月雨(さみだれ)は、五月雨式というように、今では途切れがちにくり返すようなことに使われます。もう一つの意味は文字通り5月に降る雨のことです。ただし、5月といっても旧暦の5月ですから、今ではちょうど梅雨時に降る雨になります。先の五月雨と違い、梅雨の大雨ですね。松尾芭蕉の俳句に「五月雨を 集めて早し 最上川」という句がありますが、五月雨式にパラパラと降る雨だったら最上川が早くなったりしませんよね。ついでに五月晴れという語も本来は梅雨の合間の晴れのことをいいます。ゴールデンウィーク頃の晴れの日では本来なかったのですね。梅雨の合間、夜空で見つけた星ひとつは、月のあかりよりも嬉しい。この話は以前も書いたかと思います。
改めて思いだしたのも、今日の朝はちょっと薄日が差していたからでした。
梅雨の雨を浴びてますます緑が濃くなった欅のトンネルの間から洩れる木漏れ日が、何だかとっても素敵だなと思います。正午を迎えようという頃で、キッチンカーに並ぶ学生に行き来する学生…。まだ授業中ですから人通りは少ないですが、なんとなくアンニュイとした雰囲気が、これはこれでキャンパスだなと思います。
こちらは同じ時間の時計台です。こちらには青空が見えます。とはいえ、まだまだ梅雨はこれからです。皆さまくれぐれもお身体にはお気をつけくださいませ。
あ、うちの八之助は元気ですよ。夕べは久しぶりに小顔小顔をやっていました(^^)
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