G.W.奈良紀行 その2 春日大社 興福寺 室生寺 長谷寺

今日のつぶやき
G.W.奈良紀行 その2 春日大社 興福寺 室生寺 長谷寺

いや~やっちまいました。今日からユニコムプラザさがみはらで古文書講座だったのですが、13時20分開始を30分と勘違いして、遅刻してしまいました(^_^;)地域連携センターの担当者から相模大野駅に着いたとたんに携帯に電話が入ったので、着きましたよ~と気楽に返事していて、会場に着いてから遅刻に気づきました。いかんですね…。

さて、奈良紀行第2弾は2日目の報告です。当日はまぁ~奈良公園の周りの寺社と奈良国立博物館でも廻ろうかと思っていました。とにかく春日大社は行ったことがなかったので、これは必須です。昨年の夏に行った京都の伏見稲荷のような感覚でいましたが、とにかくバス停からの距離が意外にあって、しかも中は末社を含めて15社もあるという。これは京都大学に隣接する吉田神社に近い感じですね。一つ一つ廻っていたら時間もかかりますし、お賽銭もかかります。でも、天気もよくて爽やかでしたね。相変わらず鹿さんもたくさんいましたし。

そこから次は興福寺です。別に阿修羅像を見ようというわけではなく、ガイドブックを見たかみさんが、ここの南円堂の朱印がレアなので欲しいということで、行くことになったのでした。もっとも国宝になっているのは北円堂の方で、あと、中金堂と五重塔ですね。とりあえず、中金堂と北円堂・南円堂の朱印をもらったのですが、どちらも朱印をいただく人たちで列をなしていましたね。今、ブームだそうです。去年、高知の若宮八幡宮に行ったときに朱印帳を購入して、それから集めていますが、ほぼ1年であと残すところ3丁になってしまいました。去年の夏に行った京都の寺町が大きかったですね。写真は北円堂の方です。

で、そこからどこへ行くかということになった時、もう奈良公園周りではねぇ~と話をしていて、私自身は室生寺に行きたい!と。もう即決です。とはいえ、ここからだとちょっと無謀ですが、できれば長谷寺の十一面観音も見たいと。これが結構、無謀なことはその時はあまり感じていませんでした。

女人高野室生寺は、電車を乗り換えていきます。実は車を借りた方がいいかなと思って、JR奈良駅に戻ったときにレンタカー屋さんを訪ねたのですが、さすがにこの時期はすでに満杯だと言われて諦めました。それはそうですよね。仕方がないので電車で!電車は、まずJRで桜井駅まで行って、ここで近鉄電車に乗り換えて、室生口大野駅まで行きます。桜井駅に着いた時に一計を案じました。そうだ!タクシーに配車を頼もうと!早速、電話をしたところ。今は繁忙期でタクシーは出払っていて1台しか残っていない。運がよければ、室生口大野駅で捕まるかもしれないとのことでした。これも、ですよねぇ~です(^_^;)で、諦めました。

室生口大野駅から室生寺まではだいたい1時間に1本です。着いてみたら、臨時バスが出ていることはわかったのですが…。なんと!タクシーが停まっているではないですか!!悪運強し。バスも待っていましたが、ここは迷わずタクシーで。お金はかかりましたが、早く着くことができましたし、運転手さんにはいろいろと話を聞くことができてOKです。

高野山は女人禁制なのに対して、同じ山岳寺院の室生寺は、女性がお参りすることができるので「女人高野」ですね。ただ、30代の頃に寒川町史の仕事で何度か高野山の高室院(戦国大名小田原北条氏5代目当主の氏直が流された寺です)の調査に行きましたが、江戸時代には女性も高野山にお参りしていた記録がありましたね。

何はともあれ、まずは国宝の金堂です。堂内の須弥壇上には向かって左から十一面観音立像(国宝)、文殊菩薩立像(重文)、本尊釈迦如来立像(国宝)、薬師如来立像(重文)、地蔵菩薩立像(重文)の5体が横一列に並び、手前に十二神将立像(重文)が並び立つ景色は圧巻でしたね。これは絶対おすすめです。

そして五重塔です。こちらは1998年の台風による倒木の被害でかなり破損しましたね。その後、修復がなった時に創建時を再現するということで朱塗りされたことで、風情がなくなったとかいろいろと批判もあったので、ぜひ一度この目で見たいと思っていたのでした。五重塔としては法隆寺に次いで古いのですが、屋外にあるものとしては日本最小というのも気なっていました。なんでも興福寺の五重塔の3分の1とか。写真ではちょっとわかりづらいですが。

朱塗りの五重塔は、確かに「侘びさび」の世界観からすれば論外かもしれません。でも、そもそもアニミズムであった日本に、キンキラキンの黄金の。それも人型をした仏像を見たことで、古代の人たちは次第に仏教に惹かれていったわけです。何より極楽浄土を夢見ているわけです。そんな世界がただ「侘びさび」である訳はない。華やかで美しい世界だからこその極楽浄土です。時代が下って金箔が剥がれ、朱が褪せてしまったあとの寺社をさして日本の心だと頭から信じてしまうのは、歴史の流れを無視した見解ではないですかね。

次は長谷寺です。何の知識もなく室生口大野駅へのバスを待っていたところで、同じくバスを待つ女性客のみなさんに、「長谷寺は、駅から坂と階段を下って、そこから登りになるので、今からでは難しいのではないですか」とのこと。あらら、室生寺の奥の院を諦めて行こうと思ったのに、無理か…。だったら奥の院に行けばよかったと話をしていました。バスで室生口大野駅に着いて、近鉄電車に、乗り換えて、ま、帰ろうかなと思っていたところ、長谷寺駅に着いたところでかみさんが行こうよ!と。ええぇ、もう4時40分過ぎだよ、大変だって言ってたよと言いつつ、これも、ま、いいっかということで下車。ここで5時の閉館まで15分程度しかない。もう行くっきゃないと早足で坂道と階段を降りて、門前を通って、いや、長谷寺の門前がまた長い。店も多くて、草餅が気になる…などと言っていられないので、最後は小走りです。息せき切って受付に着いたのがちょうど5時!「もう終わりですか?」と聞いたら、「大丈夫ですよ」とのこと。間に合いました(^_^)vでも、本当の地獄はここからでした…。

ここでも朱印です。受付でいただけるのかと思ったら、これまた観光客の方から本堂の横で、とのこと。とにかく奈良で出会った観光客の皆さんは実に優しい。ただ、本堂に行くには、登楼と呼ばれる階段を上らなければならない。ここが山岳寺院のつらいところ。仕方がない、行くか!と、かみさんをおいて階段ダッシュ。登ったら横に折れて、さらにまだある…。あとで聞いたら、全部で366段あるとのこと。1段1段は高くないですが、さすがに最後は足が上がらなくなってしまいました。久しぶりです、足が上がらない感覚…(>_<)もう、息せき切るどころが、ぜいぜいしながら「しゅみません、しゅ朱印をください…」。はい、無事にいただくことができました。

1枚目が門前最後のダラダラ坂。2枚目が登楼です。でも、1650年代、年代的には寛文・延宝期、4代家綱の時代ですね。国宝の本堂も、十一面観音もよかったですね。そういえば鎌倉の長谷寺も十一面観音ですが、関係があるのでしょうか?残念なことに存じませんでした。

また、本堂の舞台からの眺めは最高でした。おかげで人気がほとんどなくなった境内をゆっくりと見て回ることもできました。苦労した甲斐がありました(^^)あ、最後の写真は、GoProカメラの広角(魚眼)で、本堂の舞台から撮ったものです。かなり日も落ちてきていましたが、街中の雑踏よりも、この閑けさを見たかったのでした。

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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