アカデミックスキル L350Mile

今日のつぶやき
アカデミックスキル L350Mile

授業が始まって2週目を迎えました。入門ゼミナールも2回目です。入門ゼミナールは、大学で学ぶために必要なスキルをみにつけるための授業です。自ら問いを立て、それを追求するために研究論文や専門書などで研究の現状を探り、問いに対する自らの”結論”を明らかにするために、資料、データ等など必要な情報を集め、分析し、自らの立論について筋道を立てて発表したり、文章にしたりするスキルを養うと、ありていに言えばそういうことになります。そのためにはまずファクトベースつまり証拠や根拠(エビデンス)を基本とし、ロジカルシンキング=論理的に考える。そのために常にクリティカルシンキング=批判的に物事を考えて行くようにする…。理屈としてはそんなことを教えていきますが、何はともあれ、論理的な文章を書けるようになることがまず第1の目標になります。アカデミックライティングですね。今は基礎編として、そこを重点目標として授業を進めています。

そこで今回は、授業におけるノートの取り方として、コーネル・メソッドについて説明しました。これについては、昨年も書いておりますので、下記のURLをご参照いただければと思います。

入門ゼミナール…コーネル・メソッド

コーネル・メソッドのコーネルは、アメリカの私立大学であるコーネル大学のことで、同校のW・ポーク教授によって提唱されたノートをとる方法論=メソッドがコーネル・メソッドです。これはノートの1ページを①ノートエリア、②キーワードエリア、③サマリーエリアの3つに区分します。①ノートエリアは、授業中に授業内容をノートにとる、というかメモをとる感じでもいいのではないかと思っています。②はそこからキーワードを抜き出すエリアで、授業後に①ノートエリアをもとにキーワードを書き抜くことになっています。ただ、これは授業中でも必要だと思うキーワードは書き上げていいのかなと思っています。③サマリーエリアのサマリーは要約という意味で、ページごとに授業の要約を箇条書きでここに書き込んでいきます。それで最終的に「ノート」が完成するということです。

とにかく授業では極力ノート(メモ)をとりましょう。とったノート(メモ)は授業後に見直してまとめましょうということをくりかえし強調します。授業後に5分でも10分でもいいですから、振り返ってみることは大事なことです。そしてレポートを書くときには、これらをもとに構成を考えてみるということが重要になってきます。この組み立てが問題なのですが、論文にはその専門ごとに「文法」みたいなものがありますから、その書き方や構成の仕方を学ぶことになります。ただし、秋学期に開講される専門ごとの入門ゼミナールの基礎という位置づけですから、春学期の入門ゼミナールでは最大公約数的な方法を教えることになります。後は専門に応じてアレンジしてくれぃということですね。

と言うことで、今年も3時限目は文学部歴史学科考古学専攻(37名)、4時限目が文化社会学部社会・心理学科(32名)が私の担当です。昨年までは3時限目と4時限目の教室が違っていましたから、その間は急いでパワーポイントで使っていたPCを片付けて、マイクとPCにつなぐセットを講師室で取り替えて、次の教室で準備するというのがとっても大変でした。今年度はそれがないだけでも助かります。

授業の最後には必ず何かの作業をやってもらいます。今回はこの大学に入学した理由、大学で学びたいこと、将来やりたいと思うことの3点を軸に、自己紹介の文章を400文字~500文字でまとめて書いてもらいました。言わば作文ですね。作文と論文の違い…。次はそんな授業になります。

上の写真が3時限目で、下の写真が4時限ですが、教室が同じこともあって、ちょっと見にはわからないですね。

それにしても私の研究室がある実験棟F館から授業のある14号館までは結構、距離があります。試しに計ってみたところ、研究室から14号館1階の講師室まで、行きは近道を通るのですが、時間にして10分26秒、距離にして790メートルでした。準備を考えると20分前には出なければいけません。帰りは普通に通る道で帰ったところ、11分34秒、距離にして870メートルでした。1分の差というのは案外大きいです(^^)

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

コメントを残す

コメントを残す

«
»
  • LINEで送る